こんにちは。特定技能を専門とする行政書士の長井です。
今回も特定技能制度について、ご理解が進むよう簡潔に解説していきますので、最後までご一読いただけましたら幸いです。
特定技能2号の解説
日本で熟練した外国人労働者のための新しい在留資格「特定技能2号」が注目を集めています。この資格は、労働力不足が深刻な特定の業種における外国人労働者の受け入れを目的としています。今回、この制度が拡大され、新たに11分野に及ぶことが発表されました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231120/k10014263511000.html愛知県で特定技能外国人を雇用されている企業担当者の方は、特定技能2号へ移行することでどう変わるのか疑問に思われるかもしれません。
そこで、現在特定技能1号外国人を雇用されている企業様に向けて、特定技能2号の基礎知識を含め、その対応策を解説していきます。
特定技能2号
特定技能2号に関する概要
「特定技能2号」は、特定の技能を持つ外国人労働者が日本で無期限に滞在し、働くことを可能にする在留資格です。これには、配偶者や家族の帯同も許可される点が特徴です。従来は「建設」と「造船関連」の業種に限定されていましたが、今年に入り「農業」を含む11業種に拡大されました。
- 更新すれば永年日本に滞在できる
- 家族(妻と子)を日本に呼び寄せることができる
- 仕事は試験に合格した職種のみ就労できる
職種が限定されているという以外は実質的には技術・人文知識・国際業務と同じような在留資格といえますね。
2023年11月20日には、新たに対象となった「産業機械や情報関連の製造業」分野で初の試験が大阪市で行われました。47人の外国人が日本語で筆記試験を受け、機械操作や安全管理に関する知識が問われました。この試験に合格するためには、3年以上の実務経験が必要とされています。
特定技能2号がある業務区分
- 建設
- 造船・舶用工業
- ビルクリーニング業
- 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
2023年12月14日現在(出入国在留管理庁)
専門家としての見解
実際の影響
この制度拡大により、日本の産業界に大きな影響が予想されます。特に、人手不足が問題となっている業界では、外国人労働者の受け入れがさらに進むことになるでしょう。また、労働者個人にとっても、長期的なキャリア構築や家族の生活基盤を日本に置くことが可能になるという大きなメリットがあります。
今後の見通し
今後も「特定技能2号」の試験は、他の分野で順次実施される予定です。これにより、日本経済と社会における多文化共生の重要性が高まることが期待されます。
この制度の拡大は、日本の労働市場にとって重要な一歩であり、国際社会における日本の地位をさらに強化する可能性を秘めています。しかし、文化的な違いや言語の壁など、外国人労働者を受け入れる際の課題も同時に考慮する必要があります。将来に向けて、これらの課題を解決するためのさらなる取り組みが期待されています。
試験情報について
特定技能2号の業務区分の追加を受け、各団体では試験開催の準備を進めているようです。詳しい日程や場所に関しては、まだ未定の団体が多く見受けられます。今後、開催が拡充されることを期待したいところです。
学習について
特定技能1号に関しても同様のことが言えますが、テキストや問題集は市販されておらず、各試験開催団体独自にテキスト等を作成しダウンロードできるようにしている状況です。
私の経験
上記の写真は、私がネパール現地の特定技能1号(外食)就職希望者向けにオンラインで試験対策勉強会を行っている写真です。1号の試験問題は基礎的なことが問われるため、日本人からするとそれほど難しく感じることはありませんが、外国人にしてみると文化の違いなどもあり理解に苦しむ学生もいました。
まとめ
いかがでしたか?
今回は特定技能2号の試験拡大に関するニュース記事を元に解説を交えてブログ投稿してみました。
私が支援する特定技能1号外国人やその受入企業からは「2号試験は?」と聞かれることが多くあるため、行政機関の動きとしては若干遅いと感じられる次第です。
ともかく、現在の特定技能1号の外国籍の方においては、特定技能2号試験に合格し引き続き日本の人手不足解消のためにがんばっていただけることを期待しております。