特定技能外国人ドライバーと定着組外国人材の違い|運送業の外国人雇用│特定技能(自動車運送業分野)

特定技能外国人ドライバーと定着組外国人材の違い|運送業の外国人雇用│特定技能(自動車運送業分野)

ドライバー不足が深刻化するなか、外国人材の活用に注目が集まっています。しかし、運送業の現場に外国人ドライバーがいること自体は、決して新しい話ではありません。特定技能制度が始まるはるか以前から、トラックのハンドルを握る外国人は確かに存在していました。この記事では、すでに日本社会に根を下ろしている「定着組」のドライバーと、これから受け入れる特定技能1号の外国人材との違いを整理し、制度活用の出発点となる視点をお伝えします。

特定技能以前から運送業の現場にいた外国人ドライバー

特定技能制度が創設される前から、運送業の現場では外国人ドライバーの姿が見られました。その多くは「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」といった、就労に制限のない身分系の在留資格を持つ人たちです。
加えて、ブラジルやペルーにルーツを持つ日系3世・4世が「定住者」の在留資格で長年暮らし、ドライバーとして働いてきたケースも少なくありません。とりわけ愛知・静岡・群馬など、日系人コミュニティが古くから根づいた地域では、外国人ドライバーが地域の物流を長年にわたって担ってきた実態があります。

すでに日本社会に「定着」している即戦力

こうしたドライバーは、いわば日本社会に「定着」した外国人材です。日本での生活歴が長く、交通ルールや労働慣行はもちろん、報告・連絡・相談という日本特有の職場文化、時間感覚、安全意識についても一定の理解を備えている場合が多いのが特徴といえます。
業務上の意思疎通も日本語で大きな支障なく行えるため、現場では日本人ドライバーとほぼ変わらない存在として受け入れられているケースも見られます。「定着組」のドライバーは、日本人ドライバーとともに現場を支える即戦力として、長年にわたり日本の物流業界に貢献してきたのです。

特定技能1号の外国人材とは前提条件が大きく異なる

一方で、この「定着組」と、これから受け入れる特定技能1号の外国人材を同列に論じることはできません。
自動車運送業分野が特定技能の対象に加わったのは2024年で、その後段階的に運用が始まり、2025年3月以降は外国人本人による試験申込みも本格化しています。つまり、トラック・バス・タクシーのドライバーとして外国人を雇用できるようになったのは、ごく最近のことなのです。来日して間もない特定技能外国人材は、日常会話はできても業務上の専門的なやり取りに苦労したり、日本の労働慣行や職場文化に慣れるまで時間を要したりするケースが少なくありません。
言語面、文化面、生活基盤の安定度——いずれの前提条件も「定着組」とは大きく異なります。受入れ側は、この違いをあらかじめしっかりと認識しておく必要があります。
なお、こうした言語面のハードルは制度設計にも影響を与えています。たとえばバス・タクシー運転手については、特定技能評価試験の合格者がなかなか出ない状況を受け、政府の有識者会議で日本語能力要件をN3からN4へ緩和する案が検討されるなど、現実に即した見直しの動きも出ています。

「違いの理解」こそが制度活用の第一歩

特定技能制度を活かすうえで欠かせないのは、こうした違いを正しく踏まえたうえで、外国人材が即戦力として活躍できるよう育成・支援していく視点です。
すでに日本の運送業を支えてきた外国人ドライバーの存在を踏まえつつ、新たに受け入れる特定技能外国人材との違いをしっかり認識すること。それが、特定技能制度を適切に活用するための確かな第一歩となります。

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