特定技能制度を利用して外国人ドライバーを雇用する際、実務上もっとも多く寄せられる質問の一つが「入管審査にはどのくらい時間がかかるのか」という点です。
採用計画や配車計画に直結するため、可能な限り見通しを立てたいところですが、入管審査の期間は一律ではなく、事前に正確な期間を断定することはできません。
ここでは、特定技能1号を中心に、入管審査期間の考え方と実務上の注意点を整理します。
目次
入管審査期間が案件ごとに異なる理由
在留資格に関する入管審査の期間は、次のような複数の要因によって左右されます。
- 申請区分(在留資格認定証明書交付、変更、更新など)
- 申請時期(繁忙期・閑散期の違い)
- 申請先となる地方出入国在留管理官署
- 外国人本人および受入機関の個別事情
- 提出書類の内容や不備の有無、追加資料提出の要否
このように審査条件が案件ごとに異なるため、入管審査には必ず個別差が生じるという点を前提に考える必要があります。
特定技能1号の標準処理期間はあくまで目安
出入国在留管理庁では、特定技能1号(在留資格変更・在留期間更新など)について、標準処理期間をおおむね1か月から3か月程度としています。
しかし、この期間は「標準的な案件」を想定した目安に過ぎず、すべての申請がこの期間内に処理されるわけではありません。
実務上は、「標準処理期間=確実にこの期間で結果が出る」と捉えないことが重要です。
実務では1年近くかかるケースもある
実際の運用では、標準処理期間を大幅に超えるケースも存在します。
私が申請取次を行った特定技能1号の在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼寄せ)では、結果が出るまで約1年近く要した事例もあります。
特に、次のようなケースでは審査が長期化しやすい傾向があります。
- 初めて特定技能外国人を受け入れる企業
- 受入体制や業務内容について詳細な確認が行われる場合
- 追加資料の提出や補足説明を求められる場合
これらの事情が重なると、審査期間は想定以上に延びる可能性があります。
申請先の入管による審査期間の違い
入管審査の期間は、申請先となる出入国在留管理官署によっても差が生じます。
一般的には、
- 東京入管や大阪入管などの大都市圏では申請件数が多く、審査が長期化しやすい傾向があります。
一方で、
- 地方の出入国在留管理官では、比較的早期に結果が出るケースも見られます。
もっとも、地方入管であっても案件内容によっては時間を要するため、一律に判断できるものではない点には注意が必要です。
余裕を持ったスケジュール設計が不可欠
このように、入管審査の期間は事前に正確な見通しを立てることが困難です。
そのため、標準処理期間のみを前提に雇用計画を立てることはリスクが高いといえます。
実務では、
- 在留期限
- 入社予定日・受入開始日
から逆算し、できるだけ早い段階で申請準備を進めることが重要です。
特定技能外国人の受入れでは、入管手続だけでなく、登録支援機関との調整や社内体制整備も並行して行う必要があります。
入管審査を「想定より時間がかかる可能性のあるプロセス」として織り込み、余裕を持ったスケジュール管理を行うことが、実務トラブルを防ぐ最大のポイントといえるでしょう。

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