特定技能外国人を自動車運送業分野で受け入れる際、「特定活動の期間中はどこまで業務をさせてよいのか」という点は、実務上とくに注意が必要です。
「特定技能」と「特定活動」は別の在留資格であり、両者の違いを正しく理解していないと、意図せず資格外活動に該当してしまうおそれがあります。
ここでは、特定技能1号への移行準備として付与される特定活動について、業務範囲の考え方を整理します。
目次
「特定技能」と「特定活動」は別の在留資格
「特定技能」と「特定活動」は、制度上まったく別の在留資格です。ただし、実務上は特定技能1号への移行準備期間として、一定期間、特定活動が付与されるケースがあります。
この特定活動は、あくまで
- 特定技能1号で就労するための準備
を目的とした在留資格であり、活動内容は個別に厳密に限定されます。
許可された活動内容は、在留カードや指定書に記載されており、その範囲を超えて就労させることはできません。
特定活動期間中に運転業務はできない
自動車運送業分野において、特定活動期間中に本来の運転業務を行わせることはできません。
これは、特定技能1号としての就労が正式に許可されていない段階であるためです。
たとえ
- 普通免許を保有している
- 外免切替が完了している
場合であっても、営業用車両の運転業務に従事させることは不可となります。
この点を誤解したまま実務に入らせてしまうと、資格外活動に該当するリスクがあります。
特定活動期間中に認められる準備的な活動例
一方で、特定技能1号として就労することを前提とした準備的・付随的な活動については、個別の許可内容に応じて認められる場合があります。
自動車運送業分野における具体例としては、次のようなものが挙げられます。
- 外国免許切替(外免切替)に関する手続・準備
- 各種法定研修・社内研修の受講
- 日本の交通ルールや安全意識に関する座学研修
- 就業規則や社内規程の説明・理解
- 点呼や運行管理の流れの見学
- 車両清掃など、運転を伴わない関連業務
いずれも、「実際の運転業務を行わないこと」が大前提となります。
同乗研修は「見学・説明」に限定される
同乗研修についても、内容が限定される点に注意が必要です。
指導員が運転する車両に同乗し、
- 運行の流れを見学する
- 点呼後の確認事項や安全確認の方法を学ぶ
といった見学・説明を目的とした同乗であれば、認められる範囲に含まれます。
しかし、
- ハンドル操作をさせる
- 発進・停止・後退などの運転行為を行わせる
といった実際の運転を伴う行為は一切認められません。
「研修だから大丈夫」という考え方は通用しないため、現場での指示内容には十分な注意が必要です。
特定活動期間は「準備期間」として位置付ける
特定活動期間は、外国人ドライバーを即戦力として稼働させるための期間ではありません。
あくまで、日本で安全に、かつ適法に就労するための準備期間と位置付けることが重要です。
許可された活動内容を超えて業務に従事させた場合、
- 在留資格変更の不許可
- 在留資格の取消し
といった重大なリスクにつながるおそれがあります。
事業者としては、
- 特定活動の許可内容を正確に確認する
- 業務範囲を事前に明確化する
- 現場担当者にも内容を共有する
といった対応を徹底し、制度を前提とした慎重な運用を行うことが不可欠といえるでしょう。

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