こんにちは、行政書士の長井です。
今回は、令和7年4月1日から施行される「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の改正内容を、できる限りわかりやすく整理してご紹介します。
「法改正のポイント」
- 手続の簡素化
- 受入機関・支援機関の責任強化
- 自治体との連携の明確化
- オンライン対応の推進
といった、大きな変更が含まれており、企業担当者や登録支援機関の皆さまにとって重要な改正です。
目次
1.適格性に関する書類の省略が可能に(条件あり)
これまで、在留資格の申請時には、所属機関の適格性を証明する多くの書類を都度提出する必要がありましたが、改正後は一部機関で省略が可能になります。
対象となる機関(以下のすべてに該当)
- 過去3年間に指導・勧告を受けていない
- オンライン申請および電子届出を行っている
- さらに、以下いずれかに該当する企業
- 上場企業
- 保険業を営む相互会社
- イノベーション創出企業(高度専門職関係)
- 給与所得の源泉徴収税額が1,000万円以上
- 3年以上の受入実績があり債務超過でない企業 等
注意点:省略できるとはいえ、出入国在留管理局から求められた場合には、書類の提出が必要です。
2.定期届出が年1回に変更
これまで四半期ごとに提出が必要だった「受入れ・活動状況等の定期届出」が、年1回の提出に変更されます。
- 対象期間:毎年4月1日~翌年3月31日
- 提出期間:翌年4月1日~5月31日
また、これに伴い届出様式も統合され、「受入れ・活動・支援実施状況に関する届出書」に一本化されます。
3.自己都合退職の申出には届出不要に
外国人本人からの自己都合退職の申し出については、「受入困難届出」は不要となります。ただし、実際に退職が確定した場合には「雇用契約終了の届出」が必要です。
4.支援が実施できない場合の届出が義務化
企業が自社支援を行っている場合、何らかの理由で支援ができなくなった場合は、14日以内に「支援実施困難届出」が必要です。
「主な該当事例」
- 面談や相談への対応ができなかった
- 生活や職場での課題を企業内で解決できず、行政機関等に相談した場合
※登録支援機関に全部委託している場合はこの届出は不要です。
5.オンライン面談が条件付きで可能に
今後、定期面談をオンラインで実施することが可能になります(条件あり)。
オンライン面談の主な条件
- 外国人本人の同意取得(支援計画書でOK)
- 年1回以上は対面での面談が望ましい
- 面談内容は録画して1年以上保存し、管理局から求めがあれば提出
- 周囲に第三者がいないことを面談前に確認
初回面談や担当者変更時は対面が推奨されます。
6.支援計画に「共生社会への協力」が必須に
支援計画の作成にあたり、地方公共団体が実施する「共生施策」を踏まえることが義務化されます。
対応内容
- 事業所・住居地の市区町村が行う施策を確認
- 支援計画に「確認した自治体名・確認日・方法」を記載
- 協力確認書を提出することが必要
これは、地域での円滑な受入れ・定着を目指すための措置です。
なお、「協力確認書」のサンプルにつきましては、下記のPDFをダウンロードのうえ、ご参照ください。
7.登録支援機関のルール強化と再委託の禁止
登録支援機関に対しても新たな禁止事項が明確化されました。
「禁止される行為」
- 外国人の意思表示の妨害や記録の不作成
- 支援業務の再委託
- 所属機関の不適合を知りながら虚偽の報告または報告しない行為
今後、支援実施報告も年1回、受入企業と連名で提出が義務化されます。
8.様式の見直しと追加・廃止について詳しく解説
今回の令和7年4月の運用要領改正では、制度内容だけでなく、関連する「届出・報告・支援計画書等の様式(参考様式)」にも大幅な見直しが入りました。目的は、手続の簡素化、届出内容の正確性向上、再委託の抑止、そして支援記録の充実です。ここでは、主な様式の「変更」「新設」「廃止」を分かりやすくご紹介します。
(1)様式の名称変更・内容変更
以下の様式は、名称が変更されるとともに内容も一部変更されています。
旧様式名 | 新様式名 | 主な変更点 |
出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為に係る届出書(第3-5号) | 特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等に係る不適合届出書 | 名称を変更し、対象を「省令基準不適合」まで拡大。添付様式も新設。 |
受入れ・活動状況に係る届出書(第3-6号) | 受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書 | 支援状況の項目を統合し、様式を一本化。別紙の構成も変更。 |
支援実施状況に係る届出書(第3-7号) | 1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出書 | 実施できなかった支援内容の届出が明文化された様式へ。 |
支援実施状況に係る届出書(第4-3号) | 1号特定技能外国人支援計画の実施における特異事案報告書 | 実施困難な支援や行方不明、死亡、基準不適合の把握時に報告する様式へ変更。 |
(2)新設された様式
以下の様式は、今回の改正に伴い新たに作成されたものです。
様式番号 | 名称 | 用途 |
第5-14号 | 1か月以上の活動未実施期間が生じた際の状況説明書 | 特定技能外国人が就労開始できない、あるいは長期離脱がある場合の報告用。 |
第5-15号 | 行方不明が判明した際の状況説明書 | 特定技能外国人が所在不明となった際の届出に添付。 |
第5-16号 | 基準適合性に係る誓約書・特定産業分野に係る説明書 | 書類省略の要件確認・誓約に用いる。 |
第5-17号 | 基準適合性及び特定産業分野に係る説明書 | 第5-16号と用途が近いが、様式の使い分けあり。 |
第5-18号 | 基準不適合に係る説明書(特定技能所属機関用) | 基準に適合しない状況が生じた場合に添付する説明書。 |
第5-19号 | 基準不適合に係る説明書(登録支援機関用) | 登録支援機関側で把握した不適合事案に関する報告書添付用。 |
(3)廃止された様式
以下の様式は、制度改正により廃止となります。
廃止様式 | 理由 |
第1-9号(徴収費用の説明書) | 必要項目を「支援計画書(第1-17号)」に統合したため。 |
第1-30号(電子届出システムに関する誓約書) | 書類省略のルール見直しにより不要となったため。 |
おわりに|今こそ制度対応の見直しを
今回の改正では、「手続の効率化」だけでなく、「実効性ある支援」や「地域との連携」が求められるようになっています。対応を怠ると、将来的に受入れ継続が難しくなる可能性もあります。
「何から手を付ければいいか分からない」「支援計画の作成が不安」そんなときは、ぜひお気軽にご相談ください。
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