こんにちは。特定技能を専門とする行政書士の長井です。
今回も特定技能(トラック運送業)の制度について、ご理解が進むよう簡潔に解説していきますので、最後までご一読いただけましたら幸いです。
目次
特定技能トラックドライバーの要件
2024年4月19日に特定技能(トラック運送業)に関する運用要領が公表されました。このことを受け、外国人ドライバーと受入企業の要件についてわかりやく解説します。運送会社が抱える人手不足の問題に対する解決策となり得る情報ですので、ぜひ最後までお読みください。
1. 外国人労働者
(1)特定技能1号トラックドライバーの要件
技能水準および評価方法
- 技能水準:
- 「自動車運送業分野特定技能1号評価試験(トラック)」に合格
- 評価方法:
- 試験言語:日本語
- 実施主体:一般財団法人日本海事協会
- 実施方法:学科試験および実技試験(コンピュータ・ベースド・テスティング(CBT)方式またはペーパーテスト方式)
試験に関することについては、下記の記事も合わせて参考にしてみてください。
運転免許
- 取得方法:
- 各都道府県公安委員会が行う第一種運転免許試験
- 外国免許切替制度を含む
下記の記事も合わせて参考にしてみてください。
日本語能力
- 必要な日本語能力水準:
- 国際交流基金が実施する試験に合格
- 日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有する
- 評価方法:
- 実施主体:独立行政法人国際交流基金
- 実施方法:コンピュータ・ベースド・テスティング(CBT)方式、またはマークシート方式
- 評価基準:
- N4以上: 基本的な日本語を理解し、ある程度日常会話ができるレベル
- N3以上: 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解し、難易度の高い日常会話ができるレベル
(2)1号特定技能外国人が従事する業務
1号特定技能外国人が自動車運送業分野で従事する業務は、以下の基準に基づいています。
- 試験区分および業務区分:
- 運用方針3(1)に定める試験区分
- 運用方針5(1)に定める業務区分
- これらの基準に基づき、前述の試験合格により確認された業務を行います。
- 関連業務の従事:
- 当該業務に従事する日本人が通常行う関連業務(例:車両の清掃など専門性を確認されない業務)も付随的に行うことが認められています。
(3) 在留資格「特定活動」による入国・在留
1号特定技能外国人が運送業務に従事するためには、運転免許の取得や新任運転者研修の受講が必要です。これに伴い、以下のように在留資格「特定活動」による入国・在留が認められます。
- 在留資格「特定活動」:
- 運転免許の取得や新任運転者研修の受講のため、一定期間日本に滞在する必要があります。
- 運転免許の取得や新任運転者研修の受講以外の要件を満たした者に対して、受入れ機関との雇用契約の下で在留資格「特定活動」による入国・在留が認められます。
- トラック運送業の場合、この在留期間の上限は6ヶ月です。
- この在留資格での在留期間は、「特定技能1号」の在留期間に通算されません。
- 関連作業の従事:
- 在留資格「特定活動」による在留中には、受入れ機関における車両の清掃といった関連作業にも従事することが認められています。
これにより、外国人労働者が日本で適切に働くための準備が整えられます。受入企業はこれらの規定を遵守し、外国人労働者がスムーズに業務に従事できるようサポートする必要があります。
2. 受入企業(運送会社)
(1)特定技能1号受入企業としての要件
運転者職場環境良好度認証制度または安全性優良事業所の保有
自動車運送業分野では、事業用自動車の運行管理が適切に行われないと事故が発生する恐れがあります。また、運転者の労務管理が不適切であると過重労働のリスクが高まります。これらの特性を踏まえ、特定技能所属機関(自動車運送事業者)に対して、以下の認証を求めます。
- 運転者職場環境良好度認証制度:
- 一般財団法人日本海事協会が実施する認証制度
- 安全性優良事業所:
- 全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が認定する認証制度(Gマーク)
協議会への加入義務
国土交通省は、自動車運送業分野の特定技能所属機関、業界団体その他の関係者によって構成される「自動車運送業分野特定技能協議会」(以下「協議会」)を組織します。
- 協議会の目的:
- 外国人の適正な受入れおよび保護に関する情報の共有。
- 構成員間の連携を強化。
- 特定技能所属機関の協力事項:
- 1号特定技能外国人の受入れ状況の全体的な把握。
- 問題発生時の対応。
- 法令遵守の啓発。
- 特定技能所属機関の倒産等の際の1号特定技能外国人に対する転職支援および帰国担保。
- 就業構造や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析。
- 交通安全の確保および円滑な運転免許取得に向けた対応。
まとめ
今回は、特定技能1号(自動車運送業分野)に関する運用要領の解説記事をお届けしました。現在、法整備や試験実施団体による試験問題の作成が進められていると考えられますが、まもなく特定技能制度でトラック運送業が開始される見通しです。
この運用要領で特に重要な点は、外国人がトラックドライバーになるための準備として、6ヶ月間「特定活動」の在留資格で滞在できることです。つまり、日本の自動車運転免許を持っていない外国人でも、来日して運転免許を取得し、技能評価試験を受けることができます。
特定技能1号トラック運送業の制度がまもなく始まりますので、運送会社の人手不足解消に繋がることに期待が高まります。
今後も最新の情報を提供していきますので、このブログサイトをぜひ定期的にチェックしてください。
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