特定技能トラック運送業:住居はどうする⁈│運送業で特定技能1号外国人雇用(自動車運送業分野)

特定技能トラック運送業:住居はどうする⁈│運送業で特定技能1号外国人雇用(自動車運送業分野)

こんにちは。特定技能を専門とする行政書士の長井です。
今回も特定技能(トラック運送業)の制度について、ご理解が進むよう簡潔に解説していきますので、最後までご一読いただけましたら幸いです。

特定技能外国人ドライバーの住居に関する解説記事

今回は、特定技能1号の外国人を雇用する際の住居問題について解説します。

これまで日本人ドライバーは、多くの場合、自宅から通勤可能な範囲の運送会社を探し、そこで勤務することが一般的でした。しかし、特定技能制度を活用して外国人を雇用する場合、海外から来日する外国人や国内の遠方から応募する外国人を「採用後どこに住ませるのか」という問題が発生します。

この記事では、特定技能制度が2019年に開始された12業種の先行事例をもとに、外国人ドライバーの住居に関する課題とその解決策について解説します。

特定技能外国人ドライバーの住居は3パターン

勤務先近くの賃貸物件を自分で契約して住む場合

外国人労働者が勤務する運送会社の近くで賃貸物件を探し、自ら契約して住むケースがあります。この方法には以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
  • 会社の負担軽減
    賃料の支払いや苦情対応などに会社が関与する必要がなくなります。
  • プライベートな生活の確保
    外国人労働者にとって、仕事から切り離された自由な生活を送れる環境が整います。
デメリット
  • 賃貸契約のハードル
    賃貸契約において審査が問題となる場合があります。特定技能外国人に限らず、日本に滞在する外国人に対して、貸主側が慎重または消極的な姿勢を示すケースが多く見られます。「外国人お断り」とする大家さんも依然として一定数存在しており、物件探しが困難になることがあります。

契約の主体が会社になるのか、外国人労働者自身になるのかによって状況は異なりますが、こうした課題を解決するためのサービスも登場しています。たとえば、2024年10月の日本経済新聞では、「外国人向けの賃貸サービス」が紹介されました。外国人労働者の住居問題を解消する新しい動きとして、こうしたサービスの活用も検討する価値があるでしょう。

日本経済新聞の外国人向け賃貸サービスの記事

会社が住居を用意して提供する場合

会社が特定技能1号外国人のために、勤務先近くのアパートなどを借り上げて住居を提供するケースがあります。他の特定技能受入業種でも、この方法が主流となっています。

メリット
  • 住居確保の心配が不要
    外国人労働者は住む場所の心配をすることなく来日できるため、安心して新しい環境で働き始められます。
  • 管理の容易さ
    雇用期間中、会社が住居を一括管理できるため、外国人労働者が安定した住環境を保つことが可能です。
デメリット

トラブル対応の必要性
騒音や近隣住民からの苦情があった場合、会社が入居者である外国人に注意するなどの対応を求められます。

賃料の管理負担
賃料は会社が負担するため、その支払いと管理が必要になります。

会社の寮や社宅を活用する場合

会社が既に所有または運営している寮や社宅を利用するケースでは、特定技能1号の外国人労働者もそこに住むことが一般的です。この方法には以下のような特徴があります。

メリット
  • 管理の手間が少ない
    寮や社宅は会社が所有・管理しているため、賃料の支払いや近隣トラブルの対応に追われる心配がありません。住居に関する問題がほとんど発生しないため、安心して外国人労働者を住まわせることができます。
  • 効率的な住居提供
    既存の施設を活用できるため、新たに住居を探す手間やコストが削減されます。
デメリット
  • プライベートと仕事の区別が難しい
    寮や社宅では、外国人労働者が仕事とプライベートを切り離すことが難しく感じる場合があります。その結果、後に「プライベートな住居を確保したい」として、自分で賃貸物件を借りることを希望するケースが出てくることもあります。

まとめ

今回は、特定技能外国人をトラック運送会社で雇用する際の住居問題について解説しました。

これまで、トラック運送会社では大手企業が寮や社宅を準備している例もありますが、大半の日本人トラックドライバーは自宅から通勤するケースが一般的でした。しかし、特定技能外国人を雇用する場合は、住居の確保や支援が会社の責任として求められます。

物流業界では、深刻なドライバー不足が課題となっており、特定技能外国人の雇用はその解決策の一つとして注目されています。ただし、外国人労働者を雇用するにあたり、住居を含む生活基盤の支援をしっかりと行うことが、安心して働いてもらうための重要なポイントとなります。

今回もブログ記事をお読みいただきありがとうございました!
今後も、外国人労働者の雇用や住居支援について有益な情報を発信していきますので、ぜひご覧ください。

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