特定技能(外食・飲食店)で雇用する場合の要件

特定技能(外食・飲食店)で雇用する場合の要件

2022年6月21日

こんにちは。特定技能を専門とする行政書士の長井です。
今回も特定技能制度について、ご理解が進むよう簡潔に解説していきますので、最後までご一読いただけましたら幸いです。

1、主となる業務

飲食店における
①飲食物調理
②接客
③店舗管理

これらの業務に幅広く従事する必要があります。
(幅広くとは)
例えば午前中には開店準備にはじまり、食材の仕込み、ランチ時には接客対応。午後からは売上の管理をしたりと、1日を通して様々な仕事をさせなければならないということです。

ただし,職場の状況に応じて,例えば,許可された在留期間全体の中の一部の期間において調理場に配置されるなど,特定の業務のみに従事することも差し支えありません。

具体的には・・・

飲食物の調理
客に提供する飲食料品の調理,調製,製造を行うもの(例:食材仕込み,加熱調理,非加熱調理,調味,盛付け,飲食料品の調製等)

接客
客に飲食料品を提供するために必要な飲食物調理以外の業務を行うもの(例:席への案内,メニュー提案,注文伺い,配膳,下膳,カトラリーセッティング,代金受取り,商品セッティング,商品の受け渡し,食器・容器等の回収,予約受付,客席のセッティング,苦情等への対応,給食事業所における提供先との連絡・調整等)

店舗管理
店舗の運営に必要となる上記2業務以外のもの(例:店舗内の衛生管理全般,従業員のシフト管理,求人・雇用に関する事務,従業員の指導・研修に関する事務,予約客情報・顧客情報の管理,レジ・券売機管理,会計事務管理,社内本部・取引事業者・行政等との連絡調整,各種機器・設備のメンテナンス,食材・消耗品・備品の補充,発注,検品又は数量管理,メニューの企画・開発,メニューブック・POP 広告等の作成,宣伝・広告の企画,店舗内外・全体の環境整備,店内オペレーションの改善,作業マニュアルの作成・改訂等)

このような取り決めはありますが、通常の日本人従業員と同じ業務内容ということです。

2、従事させてよい関連業務

当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務

例えば・・・

・店舗において原材料として使用する農林水産物の生産
・客に提供する調理品等以外の物品の販売

3、雇用する飲食店側の条件

※以下の飲食サービス業のいずれかを行っている事業所に就労させる必要があります。
(1) 客の注文に応じ調理した飲食料品,その他の飲食料品をその場で飲食させる飲食サービス業(例:食堂,レストラン,料理店等の飲食店,喫茶店等)
(2) 飲食することを目的とした設備を事業所内に有さず,客の注文に応じ調理した飲食料品を提供する持ち帰り飲食サービス業(例:持ち帰り専門店等)
(3) 客の注文に応じ,事業所内で調理した飲食料品を客の求める場所に届ける配達飲食サービス業(例:仕出し料理・弁当屋,宅配専門店,配食サービス事業所等)
(4) 客の求める場所において調理した飲食料品の提供を行う飲食サービス業(例:ケータリングサービス店,給食事業所等)

※注意
(1)1号特定技能外国人に,風営法第2条第1項に規定する風俗営業及び同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業を営む営業所において就労させないこと。
(2)風営法第2条第3項に規定する接待を行わせないこと。

3、雇用形態

フルタイムでの直接雇用のみ認められます。
(フルタイム)
・労働日数が週5日以上
・年間217日以上
・週労働時間が30時間以上

※アルバイトやパート、または派遣形態での雇用は認められません。

4、合格が必要な試験

①技能試験

外食業特定技能1号技能測定試験
試験実施団体:(一社)外国人食品産業技能評価機構 →こちら

②日本語試験

「日本語能力試験(JLPT)※N4以上」

もしくは

「国際交流基金日本語基礎テスト」

5、技能実習から移行の場合

試験が免除になる技能実習生
「医療・福祉施設給食製造」の技能実習2号を良好に修了した者

※他の職種で技能実習2号を終了し特定技能へ移行する場合

技能試験:合格が必要

日本語試験:免除

6、協議会

初めて特定技能外国人を雇用する場合「受け入れた日から4か月以内」に協議会への加入が必要です。

「問い合わせ先」
農林水産省食料産業局食品製造課
電話番号 :代表:03-3502-8111(内線4162) 
加入方法 :ホームページから加入手続きが可能 →こちら
加入費用 :不要(2022年4月現在)

まとめ

いかがでしたか?
現在コロナ禍にあるため外食業での雇用は少ないようですが、外食業は慢性的な人手不足であるため、今後は特定技能外国人の受入れも進むことでしょう。

「注意点」

特定技能外国人に対して風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を行わせないこと。

継続的に一つの業務のみを行わせてはならない