昇給は必要?:特定技能トラック運送業│運送業で外国人雇用(自動車運送業分野)

昇給は必要?:特定技能トラック運送業│運送業で外国人雇用(自動車運送業分野)

自動車運送業分野で外国人材を雇用する事業者から、非常に多く寄せられるのが「外国人ドライバーにも必ず昇給をしなければならないのか」という相談です。
本記事では、特定技能・育成就労制度における昇給の考え方を、法令と実務の両面から整理します。

昇給は法令上の義務なのか

まず結論として、特定技能外国人・育成就労外国人について、昇給を必須とする明文規定はありません。

ただし、両制度に共通する大前提として、日本人と同等以上の報酬水準を確保すること が求められています。この点を踏まえずに「昇給義務はない」と判断するのは危険です。

特定技能外国人における昇給の実務上の考え方

特定技能制度では、同一業務に従事する日本人と比較して、不当に低い賃金を設定することは禁止されています。

そのため、次のような運用をしている場合、問題となる可能性があります。

  • 日本人ドライバーは勤続や評価に応じて昇給している
  • 業務範囲や責任が拡大している
  • しかし、特定技能外国人の賃金は入社時のまま据え置いている

このようなケースでは、日本人との処遇バランスが崩れ、結果として 昇給または賃金見直しが実務上必要 となることが少なくありません。

育成就労外国人の場合の処遇の考え方

育成就労制度は、技能を段階的に習得させることを目的とした制度です。
そのため、制度の趣旨から見ても、

  • 技能の習熟
  • 業務理解の深化
  • 担当業務の拡大

といった変化に応じた処遇改善が求められます。

必ずしも「昇給」という形式に限定されるわけではありませんが、

  • 職務内容の見直し
  • 技能手当・資格手当の支給
  • 評価制度に基づく賃金調整

など、合理的に処遇へ反映していること が重要になります。

昇給の有無より重要な判断基準

実務上、事業者が重視すべきポイントは「昇給をしたかどうか」ではありません。

  • 日本人従業員との均衡が取れているか
  • 業務内容・技能水準の変化が反映されているか
  • 賃金決定の基準を説明できるか

これらを踏まえた賃金・評価制度を整備していれば、制度上のトラブルや指摘を受けるリスクは大きく低減します。

まとめ

特定技能外国人・育成就労外国人について、昇給は一律の法的義務ではありません。しかし、日本人との均衡や制度趣旨を踏まえると、結果的に昇給や処遇見直しが必要になるケースが多い のが実情です。

自動車運送業分野においては、外国人を含めた公平で分かりやすい処遇制度を整備することが、
人材定着と安定経営につながります。

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