特定技能1号(自動車運送業分野)の外国人ドライバー採用において、「現地での対面面接は本当に必要なのか?」という点も、事業者様からよくいただく質問の一つです。
結論から言えば、必須ではありませんが、可能であれば実施したほうが望ましいというのが実務を踏まえた考え方になります。
目次
現在は「オンライン面接」が主流
現在、外国人ドライバーの採用では、
- 現地の送出し機関
- 求人に応募した外国人
- 日本側の紹介事業者
これらが参加するオンライン面接が主流となっています。
オンライン面接は、
- 渡航が不要で時間的・金銭的コストを抑えられる
- 複数名を効率よく面接できる
- 日程調整がしやすい
といったメリットがあり、多くの受入企業がこの方法を採用しています。
実務経験から感じる「対面面接」の価値
私自身、ネパールで現地対面による面接を行った経験があり、現在もオンライン面接に同席する機会があります。そのうえで感じるのは、可能であれば、現地での対面面接を行うほうが望ましいという点です。
対面面接では、
- 受け答えの内容
- 表情や態度
- 日本語を話そうとする姿勢
- 指示に対する理解度
といった点を、オンラインよりも立体的・総合的に確認できます。

教育体制を「実際に見る」ことができるメリット
現地面接の大きなメリットの一つが、教育施設や授業の様子を直接確認できることです。
具体的には、
- 日本語教育がどの程度行われているか
- 運転教育や安全教育の内容
- 教室や設備の実態
- 講師や指導体制の雰囲気
などを、自分の目で確認することができます。
これは、送出し機関の実態を見極めるうえでも非常に有効です。
書面や説明だけでは分からない部分が、現地でははっきり見えてきます。
現地面接が「必須」なわけではない
もっとも、すべてのケースで現地対面面接が必須というわけではありません。
オンライン面接であっても、
- 質問内容を具体的にする
- 日本語での受け答えの時間を十分に取る
- 指示を出して理解度を確認する
など、進め方を工夫することで、一定程度の見極めは可能です。
特に、
- 採用人数が少ない場合
- すでに信頼関係のある送出し機関を利用する場合
- 紹介事業者がしっかり関与している場合
などは、オンライン面接のみで対応するケースも現実的です。
重要なのは「自社に合った面接方法の選択」
結局のところ重要なのは、自社の体制や採用規模に応じて、最適な面接方法を選ぶことです。
- コスト・時間を重視するのか
- 人材の見極め精度を重視するのか
- 将来的な大量採用を見据えているのか
こうした点を踏まえたうえで、オンライン面接と現地面接を使い分ける、または併用するという判断が求められます。
特定技能1号(自動車運送業分野)の採用では、「形式」よりも「見極めの質」が何より重要です。
現地対面面接・オンライン面接、それぞれの特徴を理解したうえで、自社にとって最適な方法を選択するようにしましょう。

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