特定技能トラック運送業:想定される業務上のミスと解決策│特定技能×運送業│解説ブログ

特定技能トラック運送業:想定される業務上のミスと解決策│特定技能×運送業│解説ブログ

記事内容:運送会社で特定技能外国人を雇用し、業務上想定される誤配や破損、荷崩れという事態に焦点をあてて解説した記事となります。


こんにちは。トラックドライバー歴18年(運行管理者資格保有)で、現在は特定技能を専門とする行政書士の長井です。
今回も特定技能(トラック運送業)の制度について、ご理解が進むよう簡潔に解説していきますので、最後までご一読いただけましたら幸いです。

今日は特定技能1号外国人が、トラックドライバーとして一人で業務に従事した際に、想定されるミスを取り上げ、それに対する解決策についてお伝えしていきます。

想定されるミス

誤配

誤配送やテレコといったミスは、トラックドライバーであれば誰でも起こり得る問題です。これらのミスは、伝票と荷物をしっかり照らし合わせ、荷下ろし先での適切な検品を行うことで防げるものです。しかし、ミスの防止策は各運送会社の講じる対策であるため、ここではミスが発生した後の対応について考察します。

特に、特定技能1号の外国人トラックドライバーがミスを犯し、荷物を誤って降ろしてしまった場合、問題となるのはその状況を日本語で説明する能力です。基本的な日本語なら伝えることが可能かもしれませんが、誤配送が発生し、その事態を電話で詳細に説明するには、相応の日本語能力が求められます。

解決策

特定技能1号外国人ドライバーが誤配送などのミスをした場合、運行管理者への的確な状況報告が求められますが、言語の壁や文化的な違いにより、管理者がその報告を完全に理解することは難しいかもしれません。このような場合、両者だけで問題を解決しようとするのではなく、他のリソースも活用することが重要です。

このような場面においては、2者間のやり取りで解決しようとせずに、現地の荷下ろし先の担当者への協力も得なければならないでしょう。

破損や荷崩れ

荷物の破損や荷崩れは、日本人ドライバーでも時には発生します。私もトラックドライバー時代に、注意を怠っていたわけではないのに、このような問題を経験したことがあります。このような経験は、特定技能1号である外国人ドライバーに限らず、多くの日本人ドライバーも同様に持っていることでしょう。

特定技能1号のトラックドライバーが荷崩れや荷物破損といったトラブルに遭遇した際、重要なのが日本語の報告する能力です。破損した荷物の数や、どの配送先の荷物が影響を受けたか、受け取り担当者がどのような対応を求めているかなどの情報を正確に伝える必要があります。この状況で、外国人ドライバーがパニックになり、正確な情報伝達が困難になることもあり得ます。

解決策

まず最初に、トラブルが発生した際の対応方法を明確に指導することが重要です。例えば、破損した荷物や荷崩れが起きた場合、ドライバーが現場の写真を撮って送ることは効果的な対策となります。

次に、荷下ろし先の担当者との連携が不可欠です。破損した荷物の処理方法、例えば引き取りの有無や次回の配送での対応可能性について、運行管理者が直接、電話で担当者と確認を取ることが解決への鍵となります。このようなコミュニケーションを事前に計画しておくことで、スムーズな対応が可能になります。

まとめ

今回は、特定技能1号トラックドライバーが業務中に発生する可能性のあるミスとその対策について解説しました。例えば、A地点からB地点への拠点間輸送では、誤配やテレコ(商品の交換ミス)の発生率は比較的低いですが、1日に複数の配送地点を回るルートや、工場などの指定場所に荷物を納品する作業では、ミスが発生する可能性が高くなります。

対策

  1. ミスが発生した際の具体的な対応方法を、事前に特定技能1号トラックドライバーにしっかり理解させておく。
  2. 荷下ろし先の担当者など関係者と事前にコミュニケーションを取り、ミス発生時の対応について協議しておく。

これらの事前の対策がトラブル発生時にスムーズな対応へと繋がります。

本ブログ記事をお読みいただき、ありがとうございました。このサイトでは、運送会社が特定技能1号トラックドライバーの雇用を検討する際に知っておくべき基礎知識から、想定される問題点やその解決策まで、幅広く解説しています。参考になれば幸いです。