採用│送り出し機関はどのように選べばよいですか?│特定技能トラック運送業:│運送業で外国人雇用(自動車運送業分野)

採用│送り出し機関はどのように選べばよいですか?│特定技能トラック運送業:│運送業で外国人雇用(自動車運送業分野)

外国人ドライバーの受入れを検討する際、送出し機関や紹介事業者の選定は非常に重要なポイントです。
どの関係者を選ぶかによって、採用後の定着率やトラブル発生の有無が大きく左右されます。

「費用が安い」「対応が早い」といった理由だけで判断してしまうと、後になって制度運用や現場対応で問題が生じるケースも少なくありません。ここでは、外国人ドライバーを受け入れる企業が、送出し機関等を選ぶ際に確認すべきポイントを整理します。

自動車運送業分野の特定技能制度を十分に理解しているか

まず確認すべきなのは、送出し機関や紹介事業者が自動車運送業分野の特定技能制度を正しく理解しているかという点です。

制度の理解が不十分な関係者が関与すると、

  • 在留資格要件の誤解
  • 採用後の運用方法のズレ
  • 現場で想定外の対応が必要になる

といった問題が起こりやすくなります。

特に自動車運送業分野では、安全管理や労務管理が厳しく求められるため、制度と現場実務の両方を理解しているかを見極めることが重要です。単に人材を紹介できるかどうかではなく、採用後の運用まで説明できる関係者かを確認しましょう。

現地での教育体制(日本語・交通ルール・安全意識)を確認する

次に重要なのが、送出し機関等が現地で行っている教育体制です。
外国人ドライバーの場合、日本語能力だけでなく、日本独自の交通ルールや安全意識の理解が不可欠です。

具体的には、次のような点を確認する必要があります。

  • 日本語教育が継続的・体系的に行われているか
  • 日本の交通ルールや標識、運転マナーについて指導しているか
  • 事故防止や安全運転に関する意識づけがされているか
  • 運送業の基本的な業務内容(点呼、運行前後点検など)を教えているか

これらの教育が不十分な場合、来日後に受入企業側の教育負担が大きくなり、現場の混乱や事故リスクにつながるおそれがあります。

外国人本人に過度な負担をかけていないか(手数料体系の確認)

送出し機関等の手数料体系も、必ず確認すべき重要なポイントです。
採用が決まった外国人材に対して高額な手数料を請求し、来日後も返済負担を抱えさせている例も見受けられます。

こうした状況は、

  • 生活が不安定になる
  • 精神的な負担が大きくなる
  • 結果として早期離職につながる

といった悪循環を生みます。

  • 外国人本人が負担する費用の内容と金額
  • 分割払いや借入れの有無
  • 契約内容が明確に説明されているか

これらを事前に確認し、長期的に安心して働ける環境を前提とした採用になっているかを見極めることが重要です。

人材紹介で終わらない「受入後のパートナー」として選ぶ

送出し機関等は、単に人材を紹介して終わりではありません。
実際には、受入後も相談や調整が必要になる場面が多く、継続的に関与するパートナーとなります。

そのため、

  • 複数の送出し機関・紹介事業者を比較する
  • 自社の受入体制や運行形態を理解しているかを見る
  • トラブル発生時の対応方針や連絡体制を確認する

といった視点で、慎重に選定することが求められます。

自社の実情に合った関係者を選ぶことが、外国人ドライバーの定着と安定した運行体制の構築につながります。

まとめ

外国人ドライバーの採用では、送出し機関や紹介事業者の選定が成功のカギを握ります。
費用やスピードだけで判断せず、制度理解、教育体制、手数料の適正性、受入後のフォロー体制を総合的に確認することが重要です。

送出し機関等は「人材を紹介する相手」ではなく、受入後も共に運用を支えるパートナーです。
自社の運行形態や受入体制に合った関係者を選ぶことで、外国人材の定着と、安全で安定した運送事業の実現につながります。

外国人雇用は、採用して終わりではありません。
長期的な視点で、信頼できる関係者と連携しながら進めていきましょう。

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